猫の鼻くその取り方を伝授。取れないときはどうする?

猫との暮らし 猫の鼻に黒い塊!?猫の鼻くその原因は?正しい取り方を伝授します!

執筆/春麦

猫を観察していると、普段は綺麗なお鼻に鼻くそがついていたことはありませんか?猫は綺麗好きで自分の体や顔をグルーミングし清潔に保っていますが、どうやら鼻の中にでた鼻くそを自分で取り除くのは難しいようです。今回はそんな猫の鼻くそについてお話ししていきたいと思います。

猫も鼻くそが出る?それって本当?

猫も鼻くそが出る?それって本当?

鼻くそは、鼻の中の粘膜や鼻水のような液体の水分が抜けて固まることで出る場合や、外からの異物や汚れが鼻の中で固まって出る場合があります。鼻くそは人間や猫だけではなく、キリンや猿、アザラシなど多くの動物に出来ます。しかしそれぞれの動物は対処する方法を身につけており、例えば猿は鼻をかむことで鼻詰まりを解消します。しかし、猫は鼻の表面であれば手を使って綺麗にすることができますが、鼻の中までは綺麗にできません。また、ペルシャ猫やエキゾチックショートヘアのように鼻が低く、汚れが溜まりやすい傾向がある品種も存在します。

猫の鼻くそ、どうやって取る?

猫の鼻くそ、どうやって取る?

猫の綺麗なお顔に鼻くそがついているのは、飼い主心理からすると放っておけず、とってあげたくなりますよね。その場合、どのようにして鼻くそをとってあげればいいのでしょうか。

猫自身に任せる

猫は身だしなみを自分で整えることができるため、猫自身に任せるのが一番自然な方法です。手で顔のグルーミングをしているときに取れることが有ります。また、飼い主や壁などに鼻を擦り付けて取ろうとすることもあります。

専門家に取ってもらう

鼻は柔らかく、傷がつきやすいため、無理に取ろうとすると鼻を傷つけてしまったり、かえって鼻くそを鼻の奥に押し込んでしまったりする可能性があります。そのような点が不安な場合は、動物病院でとってもらったほうが安心です。

飼い主が取ってあげる

飼い主が猫の鼻くそをとる方法

飼い主の手で鼻くそをとってあげることもできます。その時は、鋭利なものは絶対に使わず、柔らかいものを使ってとってあげましょう。下に具体例を紹介しますので、参考にして下さい。

【 準備 】

  • 猫が鼻くそをとっているときに暴れると鼻の粘膜を傷つけてしまう危険性があるため、初めに猫を撫でたり、おやつをあげたりしてリラックスさせる。
  • 次に猫がリラックスできる体制で抱っこする。出来れば仰向けが良いが、抱っこに慣れていない猫や、嫌がる場合には膝の上に乗せるだけでも良い。
  • 片手で頭を優しく抑え、鼻くそを取る。

  • ガーゼやティッシュを使う

鼻くそが鼻の入り口付近についている場合はガーゼやティッシュなどでとる方法を推奨します。ティッシュよりもガーゼの方が肌に刺激が少ないため、可能であればガーゼを使いましょう。鼻くそを確認し、その鼻くそが乾燥していてこびりついているようであれば、ぬるま湯で濡らしたガーゼで鼻くそを柔らかくしましょう。次に片方の手の指にガーゼを巻き、猫がリラックスできる体制で抱っこします。頭を片手で押さえ、もう片方の手のガーゼで鼻を優しく撫でるように拭き取ります。もし鼻くそが硬く、こびりついているようであれば再度ぬるま湯で濡らしたガーゼでよく柔らかくしてから拭き取ってあげましょう。途中、嫌がるような仕草が見られた場合はすぐにやめましょう。

  • 綿棒を使う

鼻くそが鼻の奥にある場合は綿棒を使って取りましょう。使用する綿棒は、人間の耳に使うような通常のサイズでは猫の鼻には大きすぎるため、赤ちゃん用のような小さなものを選びましょう。綿棒を使う場合も同様に、まず猫がリラックスできるよう努めましょう。綿棒もぬるま湯で濡らし、先端の繊維を柔らかくします。あとはガーゼの時と同様に、猫がリラックスできる体制で抱っこし、頭を片手で押さえ、もう片方の手で綿棒を使って鼻の中から掻き出すように鼻くそを取りましょう。鼻の奥を掃除する場合は鼻くそを奥に押し込まないよう、また粘膜を傷つけないよう、細心の注意を払いましょう。

【 注意点 】

  • 猫の鼻の中央から外に向かって、湿らせた綿棒を回す。(鼻くそを巻き取るようなイメージ)
  • 綿棒は短めに持ち、鼻に沿って寝かすようにあてる。
  • 優しいタッチで、ゆっくりと動かす。

湿った鼻くその塊が鼻の穴から見えている時には、指でこそげとることもできます。親指の腹を使い、鼻の外に向かって優しくこすると、意外と簡単に取れます。ただし、寝起きなどで鼻が乾いているときや、鼻くそが乾いて固まっているときは、湿らせたガーゼや綿棒を使うようにしてください。無理に取ろうとすると鼻の粘膜を傷つけることもありますし、猫自身がトラウマになってしまい、顔を撫でようと手を伸ばすと逃げ出すなど、飼い主にとっても猫にとっても悲しい結果になってしまう可能性があります。

猫の鼻くそを取るとき、注意することはある?

猫の鼻くそを取るとき、注意することはある?

鼻の粘膜は非常にデリケートな部位です。傷をつけてしまうと出血してしまい、猫の体に負担をかけてしまうため、鼻くそを取るときは慎重に行う必要があります。綿棒やガーゼなどを使って鼻くそを取るときは、その力加減に注意しましょう。必要以上に力を入れてしまうと皮膚や粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。また、特に綿棒を使って鼻くそを取るときは、鼻くそを奥に押し込まないよう注意しましょう。鼻の奥に入り込んだ鼻くそを取ろうと綿棒をさらに奥に入れると、鼻の中に傷ができてしまう恐れがあります。そのため、自分で鼻くそを取り除くときはあまり無理せず、猫の負担にならないようにしましょう。難しければ通院し獣医師さんに取ってもらうことをお勧めします。

猫の鼻くその原因は?

猫の鼻くその原因は?

猫に鼻くそができてしまう原因は複数あります。その原因としては、人間に鼻水が出る、鼻くそができる原因と共通している点があるので確認していきましょう。

ハウスダストが原因

床や空気中にまったハウスダスト、つまりほこりが原因となることがあります。ハウスダストは目に見えないほど小さな物質が多く含まれており、家庭内の飼育環境中にも多く存在しています。猫は人間と比べるとより地面(床)に近いところで生活をしているため、人間よりもハウスダストを吸い込みやすい傾向があります。そのため、ハウスダストが鼻呼吸の際に吸引されて固まってしまい、鼻くそができやすくなります。

また、トイレ砂が原因で鼻くそがたまることもあります。鉱物系や紙系の猫砂は、潰れて細かい粒やほこりになることがあります。排出物を隠すために勢いよく砂を掻き、その結果、細かく砕けた砂粒やほこりが鼻の粘膜に付着、鼻くそになってしまうのです。

空気の乾燥が原因

空気が乾燥していると、鼻の中の粘膜や鼻水に含まれる水分が抜けて固まりやすくなります。季節的には暖房の出番が増える晩秋から冬にかけて乾燥しやすくなります。空気の乾燥は鼻くそができやすくなるだけではなく、猫の皮膚や肉球の乾燥や、ウィルスが蔓延しやすくなり風邪や病気のリスクを高めてしまう可能性もあるため、乾燥しがちな季節は加湿器を設置するなど対策を施しましょう。

鼻炎が原因

鼻炎は鼻の中に炎症が生じた状態のことで、過剰な鼻水や鼻詰まりなどの症状を引き起こし、鼻くそが出やすくなります。ウィルスによる猫風邪やカビによるクリプトコッカス症、花粉やハウスダストなどによるアレルギー性など鼻炎の要因は様々です。鼻炎はくしゃみや水っぽい鼻水がみられ、悪化すると嗅覚が低下することによる食欲不振や、鼻呼吸が困難になり口呼吸になってしまいます。鼻炎のような症状が現れた際は動物病院で診察を受けましょう。

腫瘍が原因

鼻の中に腫瘍ができると、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの症状が現れ鼻くそが増えることがあります。鼻の奥に腫瘍ができると鼻筋が腫れ、腫瘍が大きくなると顔の変形も見られます。腫瘍は鼻くその原因だけでなく、放っておくと命に関わる病気になるため、鼻が腫れたり、鼻血が出たりするなど異常が見られた場合は速やかに動物病院に行き検査してもらいましょう。

アレルギーが原因

猫の鼻くその原因はアレルギー

先ほど記したようなハウスダストに含まれるアレルゲンに対するアレルギーも原因の一つであると考えられます。ハウスダストにはダニや昆虫のフンや死骸、カビ、細菌、猫や人間の毛、フケ、食べかすなど多くの物質が含まれており、中にはアレルギーの原因となるアレルゲンが存在します。人間がほこりっぽい場所にいると鼻水が出たり、鼻くそができたりするのはこれらアレルゲンなどの異物を鼻から体内へ入れないようにする体の仕組みによるものです。猫の体も同様に、ハウスダストがあるとその異物を体外に出そうと鼻水が出たり、鼻くそができたりします。

猫の体質

例え健康的な暮らしをしていて、体調に異常が見られない猫でも鼻くそが出やすい体質の猫もいます。そのような猫は分泌液が体質的に多くでている傾向があります。もともと目ヤニや耳垢が多い猫にも同様の傾向があります。風邪などの症状がなくても、鼻くそが原因で嗅覚が低下し食欲不振が引き起こされることもあるため、健康的な猫でも鼻くそがでた場合はその対応を怠らないようにしましょう。

猫のこんな鼻くそは病気?

猫のこんな鼻くそは病気?

通常鼻水は透明で色味がないのですが、鼻くそに色が混ざっていることがあります。特に気をつけたいのは、緑色、赤色(血液交じり)の鼻くそです。色のついた鼻くそが出るのはどのような要因があるのでしょうか。

黒い鼻くその場合

鼻くそが黒い場合は体質によるものや、ハウスダストなどが固まってできた可能性があります。後に紹介する取り方で綺麗にしてあげましょう。

白い鼻くその場合

鼻くそが白っぽい場合は、猫砂の成分が鼻くそとなって出てきていることが考えられます。猫砂以外にも小さな粒子が含まれており、鼻くそが白っぽくなることがあります。

緑色の鼻くその場合

緑色の鼻くそが出た場合は、猫が風邪を引いているかもしれません。猫は風邪を引くと黄色〜緑色の鼻水を出すことがあります。その鼻水の水分が抜けると、黄色みがかった緑色の鼻くそが出る場合があります。猫風邪であった場合は、多頭飼育しているご家庭では他の猫に風邪が移ってしまう可能性があるため、通院し獣医師の適切な処置を受けましょう。

鼻くそに血が混じっている場合

鼻くそが赤みを帯びていた場合は、血液が混ざっている可能性があります。猫の鼻血は風邪の慢性化や鼻腔内の腫瘍、高血圧などによって引き起こされます。そのため、鼻くそが赤いなと思った場合は病気に罹患している可能性があるので、かかりつけの動物病院に行き獣医師の診察を受けることをお勧めします。

毎日鼻くそが溜まっている場合

猫が毎日のように鼻くそが溜まっている場合は、猫の様子が普段と変わらないようであれば、体質によるものであると考えられます。鼻の中にできてしまうようであれば、大きくなる前に取り除いてあげましょう。

猫の鼻くそに有効なケアってあるの?

猫の鼻くそに有効なケアってあるの?

最後に、鼻くそを防ぐためにはどのような点に気をつければ良いかを紹介いたします。

部屋の加湿

先ほど紹介したように、部屋の乾燥は鼻くそができる原因の一つです。空気が乾燥していると風邪や病気の原因となるウィルスの飛沫が広がりやすくなるなど、乾燥は人間だけでなく猫の健康にも影響を与えます。乾燥しがちな寒い時期は加湿器の設置や、洗濯物を部屋で干すなど、湿度を最低でも40%以上になるよう心がけましょう。

部屋の温度

人間が寒い場所に行くと鼻水が出るように、猫も寒さを感じると鼻水が出ます。鼻水が増えると鼻くそができやすくなるため、猫が寒くないように部屋の温度を調節する必要があります。猫が快適だと感じる室温は20℃〜25℃前後であると言われているため、暖房器具で室温計を見ながら室温を上げると良いでしょう。ホットカーペットやコタツなど、暖かい場所を作っておくのも良いでしょう。その場合は、人間用のものを使うと猫が低温やけどを起こす恐れがあるため、猫が低温やけどしないような温度設定が可能な製品を使うことをお勧めします。また、室温を上げると部屋が乾燥するため、乾燥対策も同時に施しましょう。

余談ではありますが、冬は暖房器具や加湿器を使用することで電気コードも多くなります。猫が電気コードを噛むと感電する恐れがあり、最悪の場合はコードが断線してショートし、火事を引き起こす危険性があるため、日頃からコードを噛まないような躾や、コードカバーを使うなどといった対策も同時に行えると安心です。

点鼻薬を使う

体質的に鼻水の出る量が多く、鼻くそが出やすい猫に対しては点鼻薬を用いた予防法があります。鼻くそができやすいことをかかりつけの動物病院に相談しに行き、点鼻薬を処方してもらいましょう。

まとめ

今回は猫の鼻くそについてお話しさせていただきました。猫は鼻で呼吸をするため、鼻にトラブルが生じると食欲の低下を招いたり、呼吸困難になり猫に大きな負担がかかったりしてしまいます。そのような事態を未然に防ぐためにも、日頃から飼育環境の管理や、その季節に合わせた飼育環境を整えてあげましょう。

執筆者
保護猫の里親2年生です。三毛と茶トラに日々振り回されています。