猫にシャンプーは必要?暴れる時の対処法、おすすめなど徹底解説

猫との暮らし 猫もシャンプーした方が良い?嫌がったときはどうすれば良い?シャンプーのコツ教えます!

執筆/かじめい

「愛猫をシャンプーしてあげたいけれど、怖がらせてしまいそうだし、うまく洗ってあげられるか不安…」

初めて愛猫をお風呂に入れる時、もしかしたら猫ちゃんよりも飼い主さんの方が緊張しているかもしれませんね。でも大丈夫です!

この記事では、猫ちゃんとあなたにとって快適なシャンプータイムになりますよう、事前に準備しておくべきことやシャンプーの手順、効率的なドライヤーの方法など、一通りを手際よくスムーズに行えるコツをお伝えしていきます。ぜひ最後まで目を通して、自信を持って猫ちゃんをシャンプーしてあげてください。

また、シャンプーを嫌がってしまう猫ちゃんのための、苦手意識の軽減方法や、水への慣れさせ方もあわせてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

なぜ猫はシャンプーを嫌がるの?

 そもそも、猫はシャンプー以前に「水嫌い」というイメージが強いと思いますが、一体なぜなのでしょうか。

これは、猫が人間と生活を共にする前の野生時代に、半砂漠地帯という乾燥した場所で暮らしていた頃の名残で体が水に濡れてしまうことに慣れていないため、といわれています。また、自分自身の匂いが水で洗い流されてしまうことに強く不快を感じる習性があります。

以上の理由から、シャンプーが苦手な猫は非常に多いといわれているのですが、性格によっては、濡れることに抵抗が無い子も稀にいるようです。

猫はシャンプーした方が良い?

猫は基本、定期的なシャンプーを必要とする動物ではありません。自分自身で毛づくろい(グルーミング)をすることで、全身を清潔に保つことが出来るためです。ただし、何らかの原因で体が非常に汚れてしまった時や、毛が長いなど愛猫の種類によっては、状況に応じてシャンプーをしてあげる必要があるでしょう。

猫アレルギー防止にもなるので、飼い主さんがアレルギー症状などでお悩みであれば、一度シャンプーを試してみることをお勧めします。

シャンプーをした方が良いのはこんなとき!

愛猫が排泄物などで身体を汚してしまった時や、皮膚の状態が悪い時にはシャンプーで身体を清潔に保ってあげるようにしましょう。皮膚病の種類によってはシャンプーで悪化する場合もあるので、必ず獣医師に確認の上行うようにしてください。

また、長毛種の猫は、短毛種に比べてシャンプーの必要性が高い場面が多くみられます。毛が長いため、自身の毛づくろいだけでは毛の奥の皮膚まで中々清潔にしにくく、毛玉ができたり皮膚炎などのトラブルを起こしやすいことと、グルーミングの際に抜け毛をたくさん飲み込んでしまうので、胃腸を痛めてしまう心配もあります。長毛種の猫にとって、毎日のブラッシングは必須ともいえますが、換毛期など抜け毛が増えやすい季節の変わり目にはシャンプーをして、抜け毛や皮膚の汚れもすっきり取り除いてあげましょう。

他にも、アゴニキビが出来ている猫や、肥満や病気で毛繕いが上手くできず汚れや排泄物がついている場合、スタッドテイル(※)の猫は、汚れている部分のみ洗ってあげると良いでしょう。ただし、自ら毛繕いをすることがなくなり汚れや臭いが気になる老猫や、保護したばかりの野良猫の子猫などは、身体を濡らすことで体力が奪われてしまう可能性があります。その場合には、ウェットシートで気になる部分を拭きとってあげるようにしてください。

スタッドテイル(尾腺炎、尾腺過形成)

尾のつけ根あたりにある尾腺(脂を分泌する腺)の皮脂の分泌が過剰になる病気で、去勢をしていないオスのに多く見られます。

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猫のシャンプー、頻度やタイミングは?

頻繁なシャンプーは猫にストレスを与えてしまううえ、被毛のぱさつきや皮膚病の原因になってしまうこともあるので、お勧めできません。

短毛種の猫なら、汚れがどうしても気になってしまう場合のみに限定するか、換毛期に合わせて年に1~2回程度にとどめておくようにしましょう。長毛種の場合、月に1回が目安といわれていますが、愛猫に無理をさせない範囲で行ってあげましょう。

子猫はシャンプーしても良い?

子猫は成猫よりも身体が小さく力も弱いので、ササッと簡単に洗ってしまえそうなイメージがありますが、そもそも身体を濡らしたりシャンプーをしても大丈夫なのでしょうか。

シャンプーをしても良いタイミングは?

子猫のシャンプーは、少なくとも生後3ヶ月以上になってからをお勧めします。生まれて間もない子猫はまだ体温調節がうまくできないので、体温が奪われて命に係わる状態に陥ることがあります。特に野良の子猫を保護した場合、身体の汚れが気になるかもしれませんが、自己判断でシャンプーをすることはせず、必ず動物病院で相談するようにしましょう。最初のシャンプーは、できればワクチン接種を終え、抵抗力がしっかりついてからだと安心です。

シャワーとお風呂、子猫に適しているのはどちら?

いきなりシャワーを使ってしまうと、音や勢いに驚いて、子猫に恐怖心やストレスを与えてしまうかもしれません。出来れば、風呂桶などにお湯をため、手で優しくすくってかけてあげることをお勧めします。

風呂桶を使う場合も、いきなり全身をお湯につけたり、頭からお湯をかけることはNGです。猫は、顔に水がかかることを非常に嫌がりますし、耳に水が入ってしまうと病気の原因になってしまいます。後ろ足や背中など、まずは顔から遠い部分から濡らしてあげて、少しずつお湯に慣れさせてください。

子猫の頃から水に慣らせると…

出来れば子猫のうちにお風呂に入る体験を一度はしておくことをお勧めします。子猫のほうが新しい体験や環境に順応しやすいので、成猫よりも心身にかかる負担が少ないためです。

シャンプー選びのポイント

猫用シャンプーも、人間のものと同じく種類が豊富!購入の際に気を付けるべきポイントはあるのでしょうか。

シャンプーは何を基準に選べば良い?

愛猫が長毛種の場合など定期的なシャンプーが必要であれば、低刺激のものを選ぶことをお勧めします。ノミやダニを防ぐ・取り除く!と謳っているシャンプーは、皮膚への刺激がとても強いものが多いので、常用することは避けたほうが良いでしょう。

ちなみに、猫用のシャンプーに付いている香りは、あくまで飼い主さんへ向けられたもので、嗅覚が鋭い猫にとっては余計なストレスの元になりかねません。できれば無香料や香りが強すぎないものを選んであげましょう。

猫用シャンプーは動物病院やペットショップなどで購入できます。ネットでも手軽に購入することはできますが、初めての場合は、病院やペットショップのスタッフに相談しながら選んだ方が安心でしょう。

シャンプーの代用品はある?

猫用シャンプーの代用として、食品用の重曹を身体にパタパタとふりかけてドライシャンプーをしてあげるという方法もあるようです。しかし、舞い散った重曹を愛猫が誤って吸い込み、気管に入ってしまう恐れがありますし、猫の被毛や皮膚のことを考えると、やはり専用に開発されたシャンプーを使用することをお勧めします。

人間用のシャンプー、使っても大丈夫?

人間用のシャンプーやボディソープ、石鹸などは猫には絶対に使用しないでください。人と猫では皮膚のpHが異なるため、皮膚や被毛に大きなダメージを与えかねません。また、人間用のシャンプーの中には、猫には危険とされるアロマを使用しているものもあります。アロマ成分を舐めてしまい、体調を崩したり、重篤な状態になってしまう危険性があります。

シャンプーのコツを伝授!

ここからは、実際に猫のシャンプーをしていくうえで大事なことや、準備しておくべき物をご紹介していきたいと思います。

前準備もしっかりと!

まず、愛猫の爪切りは必須とも言えます。慣れない状況に愛猫はパニックを起こして暴れてしまい、思わずあなたに爪を立ててしまう恐れがありますので、必ず短く整えておくようにしましょう。

続いて、ブラッシングをして毛をほぐし、抜け毛もしっかりと取り除いておきましょう。特に、長毛種の猫の場合は気を付けてあげたいのですが、毛玉がある状態のまま身体を濡らしてしまうと、固まってしまいほどけなくなることがあります。事前にブラッシングをしておくことで、シャンプーの泡がなじみやすくなるという利点もあります。

愛猫の身支度が整ったら、シャンプーの際に使用する物を予め出しておきましょう。

  1. 大きめのタオル2〜3枚
  2. 猫用シャンプー
  3. ガーゼやハンドタオル
  4. ドライヤー
  5. ブラシ

上記は最低限必要になりますので、バタバタしないよう事前に使う場所に準備しておいてください。

シャンプーの手順を説明

1  お湯の温度

人肌くらいの35~37度程度が目安です。人間にとっては少々ぬるめに感じる温度設定にしましょう。

2  シャワーをかけるときの注意点

愛猫の身体を片手で押さえながら、そっと後脚から背中に向けてかけていきます。このとき、シャワーノズルを猫の体に直接当てると、水の音やしぶきが軽減されます。シャワーノズルにガーゼやハンカチを結びつけておくと、水圧を簡単に抑えられるのでお勧めです。

3  身体の洗い方

身体を濡らしていく時と同様に、背中から洗っていきます。シャンプー剤を手に取り、やさしくマッサージをするように体全体に泡をなじませていきます。時々毛並みに逆らうように泡を揉み込んであげることが、皮膚まで綺麗にするコツです。ただし、長毛種の場合は毛がもつれてしまいやすいため、毛並みに沿って慎重に洗ってあげるようにしましょう。

4  顔周りの洗い方

体についた泡を使って、そっと洗っていきます。鼻や目、耳周りにはシャンプー剤は使わず、ガーゼを使ってそっと拭ってあげましょう。顔まわりは猫も一段と嫌がりやすいので、無理はしないようにしてください。

5  すすぎの時の注意点

被毛の奥に泡が残らないよう、根本からしっかりすすいでください。特に、足の付け根には泡が残りやすいので気を付けてあげましょう。すすぎ残しは皮膚トラブルの元になりますので、一番念入りに行う必要があります。

6  タオルドライのポイント

タオルを使用する前にまず、足やしっぽを付け根から先に向かって軽く握って絞り、水気をきります。次に、タオルで愛猫の身体を包みこむようにして全身を拭いていきます。猫は顔が濡れることを特に嫌がるので、先に顔から拭いてあげましょう。タオルが湿ってきたら新しいものに変えて、あらためて念入りに拭きあげていきます。足の内側やお腹も忘れずに!ここである程度被毛の水分を取り除けていれば、ドライヤーを当てる時間を短縮することができます。

ドライヤーはこうやってかける!

ドライヤーを使って、被毛を本格的に乾かしていきましょう。出来れば二人がかりで行うことをお勧めします。(ドライヤーを持ちながら猫を押さえる方と、ブラシと手を使って乾かしていく方)

ドライヤーは、愛猫が慣れるまでは一番弱風(静音)のモードを選びましょう。ブラシと手で被毛をかき分け、皮膚や根元に風を当てるようにして乾かしていきます。この時、ドライヤーと皮膚が近くなり過ぎないように注意しましょう。愛猫が慣れてきたら、強風モードに切り替えて手早く乾かしていきます。

猫のシャンプー 動画で確認!

猫のシャンプーについて文字で説明しましたが、良く解らない、実際シャンプーするときまで覚えていられるか不安という方もいらっしゃると思います。

Youtubeを観ると、猫のシャンプーの手順を専門家が詳しく説明してくれる動画が多数あります。これらを参考に、うちの猫をシャンプーをイメージトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。

どうしてもシャンプーを嫌がる場合には…

シャンプーや水が苦手で、暴れてしまう猫は少なくありません。濡らしたタオルで愛猫を拭いてあげるなどして、まずは身体が濡れることに少しずつ慣れていってもらいましょう。

狭いところに入ると安心する猫の習性を生かして、「洗濯ネットに入れた状態で洗ってあげる」という方法もあります。頭だけをひょっこりと出して、洗濯ネットの上からネットごとシャンプーをしてあげるのです。この際、使用する洗濯ネットは、筒形など立体的な形のもののほうが、頭を出したままの状態にしやすいのでお勧めです。洗いやすく、引っ掛かりなどを軽減するために、大きすぎず細かすぎない網目のものを選ぶようにしましょう。

また、シャンプーの合間に愛猫の大好きなおやつを与え、「シャンプーをするとおやつがもらえる」と覚えさせる「ご褒美作戦」も良い方法です。それでも難しそうな場合は、以下の方法もぜひお試しください。

水を使わず綺麗にする方法

猫の性格によっては、どうしてもシャンプーをすることが難しい場合もあるかもしれません。そのような場合には、無理強いすることは絶対にせず、水のいらないシャンプーなどを活用してみましょう。一般的なドライシャンプーの方法をご説明します。

  • ドライシャンプーの泡を手に取り、猫の身体全体にしっかりとなじませる。

泡をなじませるのは、手、櫛、タオルなどどれでも大丈夫ですが、汚れが目立つ部分は、しっかりとドライシャンプーをつけるようにしてください。長毛種の場合には、しっかりとシャンプーを揉みこんで、被毛だけでなく皮膚の汚れもとるようにしましょう。

  • 身体全体に泡をなじませたら、綺麗なタオルで拭き取る。

泡で身体が濡れてしまった場合には、もう一度乾いたタオルで拭いてあげましょう。

このようにドライシャンプーの場合でも、水(お湯)を使用しないだけで、シャンプーの泡を身体全体になじませる、しっかりと拭き取るという手順を踏まないといけないため、嫌がって泡がついた状態で逃げてしまう子もいます。じっとしていられない子や、シニア猫で体力に不安がある場合には、シャンプーシートを使うと良いでしょう。

プロに任せるという選択肢も!

自宅ではできないけれど、どうしてもシャンプーしてあげたい!という場合は、トリミングサロンにお願いするのはいかがでしょうか。料金は毛の長さによって異なりますが、短毛種は4,000~6,000円、長毛種は5,000~8,500円ぐらいが相場といわれています。シャンプーだけではなく、もつれた毛の手入れが飼い主の手におえない場合などにも、お金はかかってしまいますが、専門家に任せたほうが安心安全といえるでしょう。

まとめ

猫にとってみれば、シャンプーは生きていくうえで必ずしも必要なものではありません。愛猫の反応や体調を注意深く観察しながら、心身に負担をかけない範囲で行うようにしましょう。

執筆者
二人の愛娘と一匹の暴れん坊ニャンコに日々振り回されているワーキングマザーです。 とにかく猫が好きで、愛猫家歴20年以上になります。 小学生の頃、実家の庭に迷い込んだ野良の子猫との出会いから始まり、一人暮らしの時、そして結婚し現在にいたるまで、計6匹の個性豊かな猫達と生活を共にしてきました。  私と愛猫の体験談なども踏まえながら、読んでくださったあなたにホッとしてもらえたりクスッと笑ってもらえたり…とにかく身近に感じていただけるような記事をお届けできますよう、日々勉強しております!