猫が懐かない理由、原因を解説。猫への接し方も伝授

猫との暮らし 大好きな愛猫が懐いてくれない…猫に心を開いてもらうための方法とは?

執筆/佐藤 華

愛猫が懐いてくれないと悩む飼い主さんもいらっしゃると思います。せっかく猫と一緒に暮らし始めたのに、初めて家に迎えたときから懐かない、先住猫は慣れてくれたのに新入り猫だけ懐かないなど様々なケースがあると思います。

猫が懐かない理由はいくつかあり、飼い主の配慮一つで関係が改善する場合もあります。猫が懐かない理由と懐いてもらうためにできることを知り、今後の猫との生活に活かしましょう。

大好きなのに…愛猫がなついてくれない理由は?

猫は本来警戒心が強い動物です。猫が懐かない理由はいくつかあります。まずは4つの理由にスポットを当て、詳しく解説いたします。

猫について理解しよう

まずは猫の本能や生態という、基本的な部分を理解することから始めましょう。野生のネコ科動物は、広い縄張りのなかで、単独で生活しています。自分の好きな時間に行動し、お腹がすいたら狩りをする、心地よい場所を見つけたら眠るというように、自分のペースを大事にしています。

性格によって若干異なる部分もありますが、私たちと暮らす猫も、実は自分のペースを保ちながら単独で過ごすことが好きです。そのため、ご飯やトイレなどの基本的な欲求を飼い主さんに指示されたり、寝る場所や時間を飼い主さんに決められたりすると、それがストレスに繋がってしまう場合があります。愛猫がひとりを好む、マイペースに過ごすなど、猫本来の暮らしを満喫するタイプだと、飼い主さんからするとドライで懐かない子に見えるのかも知れません。ただ、猫にすると普通の事であるため、愛猫の気持ちを尊重してあげることが大事です。

また、愛猫が可愛いから、仲良くしたいからと、じっと目を見つめてしまう飼い主さんもいらっしゃるでしょう。しかし猫の世界では、正面から目を合わせるという行為は、今から攻撃するぞという威嚇を意味します。そのため、頻繁に飼い主さんにじっと見つめられてしまうと、猫は「襲われるのではないか」と不安を感じてしまいます。もし猫と目があったら、ゆっくりと瞬きをしてください。ゆっくり何度もする瞬きは、猫同士では大好きのサインです。

猫との関係性を考える

猫と人との関係は長い歴史がありますが、完全室内飼いが定着する前は室内外を自由に行き来していました。前述したとおり、猫は単独行動を好むため、お腹が空いたときや構ってほしくなると、ふらりと家に戻ってくるような状態でした。猫も人間と同じように、様々な性格の子がいるので、べったりと飼い主さんに寄り添って生活したい、という子もいれば、ヒトとは距離を保って生活したいという子もいます。

いくら飼い主さんが仲良くしたいと思っていても、距離感を保つことで心地の良い生活を送ることができる猫もいます。そんな子に無理に近づいたり、嫌がっているのに追い掛け回したりすると、その子にとって飼い主さんは「嫌がることをするヒト」になってしまいます。

猫の性格を理解する

人と同じように猫にもそれぞれ性格があります。フレンドリーな子、ゆっくり時間をかけると懐いてくれる子、いわゆるツンデレタイプで構って欲しい時だけ触らせてくる子など、猫の性格は違いがあり個性豊かです。中には、基本的には放っておいて欲しい、という一匹狼タイプの子もいます。一匹狼タイプの子は飼い主さんからすると、なかなか懐いてくれない、と思うかも知れませんが、実は一番「猫らしい猫」なのかも知れません。

猫の性格は、私たち人間と同じように、育ってきた環境が影響します。一般的には、生後2ヶ月前後の社会化期と呼ばれる時期に、他の動物や人間と接したことのある猫は、成長してからも自分以外の猫や人間を受け入れやすいと言われています。しかしこの時期に社会化経験を受けずに育つと、警戒心が強い子になってしまいます。また、野良猫の親から生まれた子や、保護猫だった子は、何かしら人間に対して恐怖を感じている場合もあります。一緒に暮らす愛猫なのに、家族の姿が見えると大慌てで狭いところに隠れてしまう、姿を現すのはご飯の時だけ、という子もいるでしょう。愛情をたくさん注いでいるのに報われない、と泣きたくなるかもしれませんが、もしかしたら愛猫は飼い主さんの知らないところで愛情表現をしてくれているかも知れません。たとえばすれ違いざまに身体の一部をそっと擦りつけてくる、目があうとスッと目を細める、視線を感じて振り向くとじっとこちらを見ている…。毎日アンテナを張り巡らせ、シャイな子からの愛情表現をキャッチしてください。

生活環境に問題はないか考える

猫は環境の変化に弱い生き物です。毎日の生活の中でストレスを受け続けると、落ち着いて生活することが出来ず、場合によっては攻撃的になってしまうこともあります。ストレスの原因として、来客が多い、騒音がする、新しい猫を迎える、部屋の模様替えをするなどがあります。今の環境に落ち着くまでは、来客を減らす、模様替えなどの部屋の雰囲気を変えるような行為をしない、そして何より、猫が静かに過ごせる場所を確保しましょう。

猫と仲良くなる方法を解説!

猫と仲良くなるためには、飼い主の配慮が必要不可欠で、時には構いたい気持ちを我慢することも大切です。どんな点に配慮できるか、どんな時にそっとしておくかを知っておくと愛猫との距離が近づきやすくなります。焦らずゆっくりと時間をかけて仲良くなることが、猫との距離を縮める秘訣です。

においは大丈夫?

猫はにおいにとても敏感です。人が気にしないような匂いでも、猫は不快に感じることもあります。猫が苦手なにおいには、香水、タバコ、レモンやミカン等の柑橘系の香り、シップや消毒薬等に含まれるメンソール系の香りがあります。他にも、柔軟剤や洗剤に含まれる香料が苦手という子もいます。

猫に近づくときには苦手なにおいをつけていないか、部屋の消臭芳香剤に苦手な香りが含まれていないかをチェックするといいでしょう。

声のトーンや大きさは?

猫は音にも敏感で人が聞き取れない音も聞き取れます。そのため、大きな音や声は刺激が強すぎ、猫は恐怖心を覚えます。ドアがバタンと閉まる音、ドカドカと歩く足音、大声などは、猫に嫌がられてしまいます。他にも、携帯電話の着信音やアラームなど、電子機器の音が苦手という子もいます。

猫に近づくときには、足音や声の大きさを抑えるように心がけましょう。静かに近づき、優しく話しかけます。そうすると猫の恐怖心を和らげられます。

また、声のトーンにも配慮が必要です。男性が出す低めの声は猫同士での威嚇の声とトーンが似ているため、恐怖を感じてしまう子もいます。猫に近づくときにはいつもより少し高めのトーンで、優しくゆっくりと話しかけましょう。

猫から近づいてくれるのを待つ

猫はマイペースに生きる動物です。積極的に近付いていくと、警戒をされることもあります。自分から近付くのはやめ、猫のペースに合わせましょう。猫が近づいてきても、いきなり触るのはやめ、猫が自由に匂いを嗅ぐことを許しましょう。猫は匂いで相手を区別しているといわれています。この匂いの人は自分には危害を加えない、そう猫が思うようになれば、触らせてくれるかもしれません。猫に心を開いてもらうためには、この人は味方だと認識してもらうことが大切です。

ごはんやおやつで仲良くなる

猫はご飯をくれる人を大切にします。いつもご飯をくれる人が猫にとっては一番偉いひとで、大好きな人です。猫と仲良くなりたいときには、ご飯係を率先して担当しましょう。

また、時々おやつを与えることも効果的です。おやつは量を与えすぎない事が大切で、ご飯とのバランスを考え、本当に少量を与えるようにしましょう。猫が慣れてきたら手から食べさせるようにすると、距離が縮まります。

猫のパーソナルスペースを知る

猫も人間と同じように、他人に近付かれると不快に感じる空間、パーソナルスペースがあります。猫と人間の快適な距離感は、50センチから1.5メートルの間といわれています。また、慣れていない猫の場合には、1.5メートルから2メートル位の距離を保つことが良いとされています。ただ、スペースに限りのある家の中で、2メートルの距離を保つのは大変な事です。そんな時には、キャットウォークやキャットタワーを設置するのも良いでしょう。

猫のパーソナルスペースは1匹ずつ違います。どこまで近付くと緊張するのかなど、猫の様子を観察しながら、快適な距離感を見つけてください。

多頭飼育の場合はこんなことに気をつけよう

多頭飼育は、猫同士の遊び相手の確保や猫の社会性が身につくなどのメリットがありますが、単独行動を好む猫にとってはストレスにつながる場合もあります。

新入り猫は先住猫に気を使うため、疲れが溜まりやすく、警戒心を持ちやすくなります。先住猫は生活環境の変化でストレスが溜まり、元気がなくなったり、逆に怒りっぽくなることもあります。また、先住猫と新入り猫の相性が悪ければ、お互いがストレスをためてしまいます。多頭飼育を始める前に、先住猫と新入り猫それぞれの接し方を知っておきましょう。

気を使っていないか確認して!

多頭飼育の基本は、先住猫優先ですが、先住猫を優先しすぎて新入り猫を放置してしまうと、新入り猫は懐かなくなります。これは、先住猫に気を使っている証拠で、新入り猫にとっては相当なストレスになります。

多頭飼育の場合は、まず新入り猫をケージに入れ新しい環境に慣れた後、先住猫と対面させましょう。しばらくはケージの中で過ごさせ、外をうかがう様子が見られたら、先住猫がいない場所で新入り猫とのスキンシップを図ります。

先住猫優先の姿勢は変わりませんが、新入り猫も大切な家族ですから、ゆっくりなじめるように先住猫と接する時間と新入り猫と接する時間を分けることで、新入り猫にも懐いてもらいやすくなります。

まとめ

猫は単独行動を好みマイペースに生きる動物です。すぐに猫の生き方を変えるのは難しく、人間のほうが猫に合わせる必要があります。生活環境の見直しや苦手なにおいをつけていないか、声の大きさはどうかなど、細かなところにも気を使い、猫が警戒心を抱かないよう配慮しましょう。また多頭飼いの時は、先住猫と新入り猫それぞれと接する時間を持ち、時間をかけて慣れさせることで懐いてもらいやすくなります。単独飼育でも多頭飼育でも、人が猫に合わせるということ覚えておきましょう。

執筆者
会社員を経て、念願叶いライターとしてデビューしました。 猫4匹、犬1匹、人間ふたりの大家族なので、笑いと事件が絶えない毎日です。 読者の皆さまのお役に立てるような記事を執筆出来るよう、日々精進してまいります!