猫の換毛期はいつ?抜ける毛の対策を徹底解説

猫との暮らし 猫の換毛期って何?舞い散る抜け毛なんとかしたい!抜け毛対策はある?

執筆/かじめい

季節の変わり目に、愛猫の抜け毛の多さに驚いた経験はありませんか?人が衣替えをするように、猫は自身の被毛の質感や量を調整しながら気温の変化に対応しているのです。このように、季節に合わせて毛が生え変わることを「換毛」といいます。愛猫が換毛期入ると、飼い主さんはいつも以上に抜け毛との激しい戦いを余儀なくされます。いくら掃除をしても舞い散る抜け毛に、途方に暮れてしまうこともあるかもしれません。とはいえ、舞い散る抜け毛をそのままにしておくことは、猫にとっても人にとってもあまり良いことではありません。

今回は、猫の被毛の特徴や換毛期にまつわる情報と対策、そして効率的な抜け毛の掃除方法も紹介していきます。これを読んで、あなたの愛猫の「衣替え」を、徹底サポートしてあげましょう!

猫の毛の特徴とは?

猫は二種類の被毛を持っています。

身体の表面を覆っていて太くて張りのある「オーバーコート」と呼ばれるものと、表面からは見えない綿毛のように柔らかな「アンダーコート」と呼ばれるものです。

アンダーコート

地肌に近い内側に密度高く生えているアンダーコートは、フワフワとしていてとても温かく、ダウンコートのように身体を保温する役割を持っています。春の換毛期にたくさん抜け落ちるのは、主にアンダーコートであるといわれています。

オーバーコート

身体の表面を覆うように外側に生えているオーバーコートは、アンダーコートと比べると長さがあり、太くて硬くコシもあり、直射日光や外部からの刺激などから身体を守る役割を持っています。

1年に2回ある「換毛期」とは?

猫は通常、春と秋の年に2回換毛をします。この期間を「換毛期」と呼びます。

春には冬に活躍した防寒性のある毛が抜け落ち、暑い季節に合わせて密度の少ない毛が新しく生えてきます。秋には夏用の涼しげな毛が抜け、寒い季節に備えてまた暖かい毛が生えてくるのです。

しかしながら、完全室内飼いの猫の中には、激しい抜け毛を伴うような換毛期を持たない子もいます。もともと猫は、前述したように季節の移り変わりによる気温の変化に適応するために被毛の調整をしているので、室内の快適な空調設備下で生活をしていると気温差を感じにくく、外で過ごしている猫のような明確な換毛期を必要としていないのです。

このような猫は、年間を通して緩やかに被毛を生え変わらせているので、季節の変わり目に抜け毛が少なくても心配する必要はありません。

こんなに違う!冬毛と夏毛

猫の被毛は、夏場は非常に暑苦しそうに見えますし、冬場はそれだけで寒くないのかとつい心配になってしまうほど心許なく見えたりもします。しかしながら、夏毛と冬毛それぞれの活躍により、猫はどんな季節でも見た目以上に快適に過ごしているのです。

夏毛の特徴とは?

暖かくなってくると、冬仕様だった被毛は夏毛に生え変わります。保温のためのアンダーコートはごっそりと抜け落ち、すっきりとした見た目になります。新しいオーバーコートも生えてくるでしょう。オーバーコートは密度が低く生えるため通気性が良く、熱がこもらないようしっかり風が通る仕組みになっているのです。

冬毛の特徴とは?

秋頃から生えてくる冬毛は、夏毛とは対照的に密集して生えてきます。モコモコとしたアンダーコートに覆われて、まるで冬場に着膨れしている人のように、少しポッチャリと太ったように見えるかもしれません。保温機能に優れている冬毛のお陰で、寒い季節も暖かく乗り切ることができるのです。

「換毛期」に気を付けたい猫の行動

換毛期の猫は、時折普段とは違った行動を見せることがあります。そのときに飼い主さんが驚き慌ててしまわないように、愛猫がどのような行動をとることがあるのか、そしてそれは何のために行うのか、しっかりと理解を深めておきましょう。

毛玉を吐く

普段、猫は自身のザラザラな舌を使って毛づくろいをしていますね。これは身体の汚れ落としや体温調整など、猫が生活するうえで非常に大切な行為のひとつです。毛づくろい中に舌に絡まった抜け毛はそのまま飲み込んでしまうのですが、便に混ざって出てきたり、時には吐くことで毛玉を体内から排出しています。

換毛期は特に、吐く頻度が上がる猫が多く見られます。

逆くしゃみ

愛猫が口を閉じたままの状態で、鼻を「フンフン」「ブーブー」などと鳴らしているところを見たことはありませんか?これが、いわゆる「逆くしゃみ」というもので、通常のくしゃみとは逆に、鼻から勢いよく空気を吸い込むことによって、なんらかの異物を吐き出そうとしているときの行動です。非常に苦しそうに見えるので、初めて見る飼い主さんは心配してしまうかもしれませんが、猫の生理現象ですので、慌てずにそっと見守ってあげましょう。

ただし、あまりにも頻回に逆くしゃみをしていたり、途中で痙攣したりなど明らかに異常を感じた場合には、速やかに動物病院へ相談するようにしてください。

特に「換毛期」に気を付ける猫種はある?

先程、オーバーコートとアンダーコートについて説明しましたが、この二種類の被毛を持つ猫種を「ダブルコート」といいます。猫種としてはノルウェージャンフォレスト、ペルシャ、アメリカンショートヘア―、ロシアンブルー、アビシニアンなどで、ダブルコートの猫には、明確な換毛期が訪れます。よって、愛猫がダブルコートの場合、季節の変わり目には飼い主さんによる適切なケアが必要になります。

一方で、実は、どちらか一種類だけの被毛しかもたない猫も存在します。その猫種は「シングルコート」と呼ばれ、代表的なのがメインクーンやベンガル、シャムといった海外生まれの品種です。シングルコートの猫の場合、ダブルコートの猫ほど明確な換毛期が訪れることはありません。年間を通して徐々に全身の被毛を生え変わらせていくのが特徴です。

これで万全!抜け毛対策!

愛猫から舞い散る抜け毛に頭を悩ませることは、愛猫家にとって避けては通れぬ道といっても過言ではありません。工夫をしながら換毛期を乗り越えていきましょう。

こまめなブラッシング

換毛期に悩まされる大量の抜け毛は、毎日ブラッシングをしてあげることで緩和させることが可能です。これは、猫にとってもメリットが大きいとされています。

換毛期は、通常よりも大量の抜け毛が毛づくろいの際に猫の体内に入ってしまいますから、胃腸に大きな負担がかかり、時には体調を崩してしまうこともあるのです。ですから、こまめなブラッシングは室内に舞い散る抜け毛予防のみならず、愛猫の胃腸の負担も軽減してあげられるので、まさに一石二鳥といえるでしょう。

フードやおやつで吐き戻しをケア

キャットフード売り場をよく見てみると、毛玉ケアができるフードやおやつも、数多く取り揃えてあります。通常のフードよりも豊富に含まれた食物繊維などが、愛猫の胃腸内にある毛玉のスムーズな排出を手助けしてくれるでしょう。

気を付けたいのが、新しいフードに替えたい場合、今まで食べていた物に少しずつ混ぜていき、徐々に新しいフードの味に慣れていってもらうような工夫が必要です。急に新しい物に替えてしまうと、味や食感の変化に驚いて一切食事をしなくなってしまう猫もいるためです。

シャンプーも効果的?

愛猫が長毛種の場合や、毛玉を吐く頻度が高く心配なときは、シャンプーをしてあげると良いでしょう。普段のブラッシングなどでは取り除けない抜け毛も、洗い流すことでさっぱりさせることができます。

ただし、本能的に水を嫌がる猫にとって、シャンプーをすることは心身ともに大きなストレスを受けてしまう可能性が高いことは忘れないであげてください。決して無理強いはせず、愛猫の体調や様子を見ながら、シャンプーは月に1回程度にとどめるようにしましょう。

トリミングはした方が良い?

換毛期前後にトリミングをしてあげることも、抜け毛対策に有効な方法のひとつであるといえます。ただし、一概にお勧めできるわけではありません。メリット・デメリットを飼い主さんがしっかり理解したうえで、トリミングが本当に必要かどうか判断してあげる必要があります。

まず、トリミングをすることによって得られる大きなメリットとして、舞い落ちる抜け毛の大幅な減少が期待できることはいわずもがな、被毛を少なくしてあげることで、毛のもつれによって生じる毛玉や夏の湿気などが原因で発症しやすい皮膚炎の予防や早期発見をすることができます。

その反面のデメリットとして、今まで被毛で覆われ守られていた地肌がさらされることにより、紫外線や外部刺激により、猫のデリケートな皮膚にダメージを引き起こす可能性があることがあげられます。短すぎるトリミングをしてしまった場合、猫のザラザラとした舌で毛づくろいをしただけで皮膚を傷つけてしまうケースもあるのです。また、猫の性格によっては、突然被毛が無くなってしまったことによりストレスを感じ、体調を崩してしまう可能性もあるでしょう。

https://neko-univ.jp/archives/212

換毛期のお掃除、コツはある?

換毛期の猫は、少し撫でるだけでも毛がどんどん抜け落ちてしまうものです。こまめな掃除を心掛けようと思っていても、夜間に掃除機は使いづらい、愛猫が大きな音を怖がる、そもそも掃除機を出すのが面倒くさい…などと、様々な理由でついつい後回しになってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、抜け毛をそのままにしていると、飼い主さんだけではなく愛猫の健康まで損なわれる恐れがあります。ハウスダストによるアレルギー症状は、人間だけの問題ではないのです。

あると便利なお掃除グッズ

猫の抜け毛掃除は、通常の掃除のやり方や道具では中々うまくいかない場面も出てきます。ここでは、愛猫家ならぜひご家庭に備えておいていただきたい便利な掃除グッズを紹介していきます。

 ペーパーモップ

愛猫の抜け毛が気になるときの床掃除には、ペーパーモップをお勧めます。なぜなら、掃除機だと猫の抜け毛を吸い込むときにブラシに絡まってしまい、うまく吸引できないことがあるからです。また、フワフワと軽い抜け毛は空中に舞い上がりやすいため、掃除機との相性はあまりよくないとされています。

その点、ペーパーモップでの清掃作業は大きな音も出ませんし、ホコリなどの舞い上がりもほとんど気にすることなく綺麗にすることができるので、猫の抜け毛掃除に非常に適しているといえるのです。

●  粘着テープ

カーペットや衣類など、布製品に付着した抜け毛は中々取りづらいものです。ガムテープなどの粘着テープでペタペタとすれば簡単に取り除くことが出来ますが、時間がかかってしまうのが難点といえるでしょう。そんな場面にお勧めしたいのが、持ち手が付いていてコロコロと転がすタイプの粘着テープです。

長毛種の猫がいる我が家でもほぼ毎日活躍していて、ものの数秒ですぐに綺麗にすることができるので、お出かけ前の忙しいときでもストレスになりません。猫がいるご家庭なら、コロコロ粘着テープは、もはや必需品ともいえるのではないでしょうか。布製品だけではなく、ブラッシングや撫でた後などに愛猫の身体表面にまとわりつく抜け毛も、猫の全身をコロコロとしてあげるだけですぐに解決します。(我が家の愛猫は、おもちゃと勘違いをして、いつも猫パンチを繰り出してきます。)

●  ゴム手袋

毛足の長いラグや絨毯などに頑固に絡まってしまった抜け毛は、掃除機や粘着テープを使っても一筋縄では取り除けません。掃除機や粘着テープを使ってもなかなか綺麗にならないときには、ぜひゴム手袋を使ってみてください。やり方は簡単で、ゴム手袋を手にはめて、気になる個所を数回優しく撫でるだけです。みるみる抜け毛が取れていくので、思わず病みつきになってしまうほどです。ゴム手袋は百円ショップでも手軽に購入することができますので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

換毛期は、猫にとっても飼い主さんにとっても少なからずストレスが生じてしまうものです。できる範囲で工夫をしながら乗り越えて、新しい季節での生活に備えるようにしましょう。

執筆者
二人の愛娘と一匹の暴れん坊ニャンコに日々振り回されているワーキングマザーです。 とにかく猫が好きで、愛猫家歴20年以上になります。 小学生の頃、実家の庭に迷い込んだ野良の子猫との出会いから始まり、一人暮らしの時、そして結婚し現在にいたるまで、計6匹の個性豊かな猫達と生活を共にしてきました。  私と愛猫の体験談なども踏まえながら、読んでくださったあなたにホッとしてもらえたりクスッと笑ってもらえたり…とにかく身近に感じていただけるような記事をお届けできますよう、日々勉強しております!