猫の脱走防止対策、脱走したときの探し方を徹底解説

猫との暮らし 猫が脱走してしまった!探し方は?捕まえ方は?脱走予防対策も解説!

執筆/水科希望

最初に、今猫が脱走してしまって即座に情報が欲しい方は目次から捜索の項目へ飛び、迅速にかつ落ち着いて探しに行きましょう。

落ち着いて読める方はこちらから。脱走対策が気になるあなたは保護猫をお迎えしようと考えているところでしょうか?どこの団体でも必ず脱走対策をお願いしますと言われます。内容を聞いて「そんなに大変なの?」と思われるかも知れません。ですが猫が脱走してしまい、探す方がその何百倍も精神的にも体力的にも大変なのです。そして、猫が自力で家に帰ってくる可能性は低いと言われています。必死で探す中、最後の神頼みと高名な猫返し神社にお参りしたら戻ってきた!というエピソードもありますが、科学的に立証はされていませんので、まずは脱走対策をしっかり立てて防止していきましょう!

なぜ猫は脱走するの?

猫の本能による行動や、精神的なストレスによるものがほとんどです。詳しく内容を見ていきましょう。

理由① 好奇心

猫は元々、好奇心の強い動物です。外の鳥をじっと眺めてクラッキングしているのも「よし、捕まえてやるぞ!」という遊びの一環なのです。面白い刺激でいっぱいの外に興味を引かれて飛び出してしまうことも。1度外に出てしまうと、そこを中心に縄張りが広がり、パトロールをしたいという本能が働いて何度も脱走するようになってしまいます。

理由② ストレス

引っ越し・大規模な模様替えなどの環境の急激な変化への不安や、相性の悪い同居猫がいるなどで外へ逃避してしまいます。また、雷や突然の地震などの天災や大きな音に驚いて飛び出してしまうこともありますので注意が必要です。

理由③ 発情期

特に去勢や避妊をしていない猫はパートナーを求めて飛び出して行ってしまいます。去勢・避妊済みの猫でも、発情期には鳴き声やフェロモンに反応して発情しているような行動を取ることもあり、極度の興奮状態に陥ります。興奮状態の猫は思いもよらない方法で脱走してしまうので、人の手で捕まえることは困難でしょう。他にも発情に合わせてメスを巡る外猫のケンカをする声に驚いてパニックになることもあります。

猫が脱走する場所は?

ウチの子はおとなしいから大丈夫!という保証は一切ありません。何かのきっかけで興奮状態になったり、パニックを起こしたりすれば、どんな行動に出るか分からず、猫の身体能力は人の身体能力を軽々と上回るため本気を出した猫を捕まえることは不可能です。脱走しやすい場所を把握して、未然に防ぐ手段を考えていきましょう。

① 玄関

猫が脱走してしまう可能性の高い、最も危険な場所です。普段、家族が出入りする時はもちろん、宅配便を受け取る・大型家具の搬入・エアコン清掃などの見知らぬ業者が出入りする際に、興奮して飛び出して行ってしまうことがあります。

② 窓

特にリビングの掃き出し窓を開けて洗濯物を干す時が危険です。足下への注意が散漫になるため、猫がスルリとすり抜けても気づかないことがあります。大きく開く時だけでなく、換気のために開けた隙間から抜け出る、鍵を閉め忘れてしまった窓を自分で開けて出て行く、網戸があるから大丈夫と思っていたら網戸を破る・器用にロックを外して出て行くなど、飼い主の思いもよらない方法で脱走してしまいます。まれですが、泥棒が窓から侵入して猫が脱走してしまった、などということも。脱走対策と共に防犯対策も万全に整えましょう。

また、マンションの高層階に住んでいる方は窓から猫が飛び出してしまうと即命の危険に繋がります!後述する対策を十分に整えて下さい。

③ ベランダ

猫は日光浴が大好きなので、ベランダに出ることを好みます。のんびり寝ているだけなら良いですが、外猫や鳥に気を取られて脱走してしまうことがありますので、人の目が届かない時にベランダへ出すことは避けた方が良いでしょう。

猫は身軽なので手すりを軽々飛び越えてられますし、頭が入れば下の隙間からすり抜けることもできます。窓と同じく高層マンションの場合、落下したら命の危険があります。ちょっとした隙に猫がベランダに出てしまった時は驚かせて事故に繋がらないように、大好きなおやつやおもちゃで静かにおびき寄せるようにしましょう。

猫が脱走しやすい季節は?

最も多いのは、春から夏にかけてです。窓や玄関を開ける機会が増えるシーズンであり、猫の発情期でもあります。外からの誘惑も多いので、この時期は特に気を付けましょう。

脱走しやすいタイプってある?

猫の中でも更に好奇心旺盛な子、子猫なども好奇心のままに行動するので外が面白そうだと脱走しやすいようです。他にも脱走しやすいタイプをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

元野良猫・保護猫

野良猫出身の場合、外での刺激ある生活を覚えており、自分の縄張りをパトロールしたいという本能が働くので外に出たがる子が多い傾向にあります。保護猫の中でも、子猫の内に保護された子ならほとんど外の世界を知らないですが、成猫になってから保護された子の場合、やはり野良猫と同じく自分の縄張りに戻りたがる子もいます。

去勢・避妊手術が未だ

去勢・避妊手術が済んでいないと発情期を迎えてしまうため、生存本能に従って相手を探しに行ってしまいます。

家の近くが野良猫の集会場

近くに外猫がたくさんいると、外に興味を持つようになります。人も、誰かが集まって話をしていたら何か気になりますよね。猫も好奇心が刺激されてしまうのです。

ストレス・飼育環境に不満がある

引っ越し・大掃除・模様替えなど環境の変化にストレスを感じてしまうことがあります。大きな環境の変化が無くても、今の環境内で落ち着ける場所が無い、十分に遊べなくて刺激が足りない、退屈などで不満を抱いて脱走に繋がってしまいます。

多頭飼育の猫

気の合う猫同士なら楽しく過ごせますが、人同様気に食わない相手との同居生活などストレスの極みです。自らストレスのない場所を探すために、脱走してしまう事があります。

外は危険がいっぱい!猫を襲う危険とは?

完全室内飼いの猫は、外でごはんを食べる術を知りません。それ以外にも、命に直結する危険が次々に迫ります。

交通事故

室内で暮らしている猫は、車の危険性を全く知りません。事故に合えば確実に怪我を負ってしまい、怪我の度合いによっては最悪死に至る場合もあります。

猫の交通事故で多いのは夕方から夜、道路を渡ろうとしたときに車のヘッドライトで目がくらんで立ち止まってしまう、車に直面したときに恐怖で身動きが取れなくなってしまうなどがあります。車を運転する方は日頃から法定速度を守り、猫が道を渡ろうとしていなくても道端で見かけた時は徐行して安全を確保しましょう。

野良猫との接触

外の世界は野良猫の縄張りです。猫は単独で生きる動物なので、縄張りに侵入してくるものは全て敵とみなします。大迫力の威嚇に怯え、喧嘩によって負傷、それが原因で病気やノミなどの寄生虫に感染する危険があります。猫白血病・猫エイズ・猫風邪などは1度かかってしまえば生涯キャリアとなってしまいます。

望まない妊娠

猫は交尾をすると、ほぼ100%妊娠します。避妊手術をしていないメス猫は妊娠して帰ってくることが多く、オスも知らぬ間に外の猫に出産させてしまい、不幸な子猫を増やしてしまうかも知れません。

家に戻れなくなる

脱走先で野良猫に威嚇されて驚いて逃げるのを繰り返している内に、思いがけないほど遠くへ行ってしまうこともあります。はっきりと解明されていませんが、猫は帰巣本能が弱いと言われています。家から遠く離れれば離れてしまうほど、猫が自力で帰ってくる確率は非常に低くなります。

猫が脱走してしまった!どうやって探せば良い?

猫が目の前で脱走してしまった。その時、後ろから追いかけたり大声で名前を呼んだりすることは絶対にしてはいけません。頭が真っ白になってしまうかも知れませんが落ち着いて、いつものトーンで名前を呼びましょう。直ぐに大好きなおやつやフードを用意できるようでしたら、即座におびき寄せるようにしましょう。まずは、落ち着いて猫を驚かせないことが肝心です。

気づかない内に猫が脱走してしまったことが発覚したら、即座に捜索を開始して下さい。猫の移動距離はオスで65メートル、メスで30メートルと言われています。今からでも十分に追いつくことができます。やはり落ち着いて、1つ1つ確実にやっていきましょう。

保護に必要な物を用意する

外に出てしまったことで極度の興奮状態に陥っていたり、酷く怯えていたりと、猫も普通の状態ではありません。まずは以下の物を準備して両手が自由になり、必要な時に直ぐに取り出せるショルダーバッグなどに入れて下さい。

  • 大好きなおやつやフード
  • お気に入りのおもちゃ
  • 猫が入る洗濯ネット、またはバスタオル
  • 昼間でも懐中電灯(スマホのライトでも可)
  • コンパクトミラー(車の下を覗き込むのに便利)
  • キャリーバッグ
  • 軍手

自分も慌てていて、普通の状態ではありません。もう一度確認して下さい。最低でも、おやつやフードと洗濯ネットを忘れずに。

自宅付近を探す

無事に帰って来た子たちは、半径100メートル以内で見つかっています。脱走して直ぐなら、自宅付近の身を隠せる場所に潜んでいる可能性が高いです。猫の行動範囲は1日につき半径100メートルと言われていますので、もう一度落ち着いて深呼吸をしてから自宅周辺100メートル内をモレなく探しましょう。以下のような場所を重点的に探すと良いでしょう。

  • 物置
  • 室外機の隙間
  • 排水溝
  • 自販機や建物の隙間
  • 車の下
  • 公園のベンチ下や植え込みの中
  • 屋根や木の上

猫は顔が入れば極狭い隙間でも入っていけます。脱走したばかりの猫は見知らぬ世界に怯えて縮こまり、落ち着くために身を隠せて体を包み込めるような場所に隠れていることが多いです。探す際や見つけた時のポイントは、

  • 大きな声で呼ばない、駆け寄らない

※怯えた猫は小さな声で鳴いていることがあります。その声を聞き逃さないためにも、名前を呼ぶ際には小さな声で呼びかけましょう。猫は人より耳が良いので、小さくても大好きな人の声を聞き逃しません。

  • 見つけたら、おやつやフードでおびき寄せる
  • 近寄ってくるのを待つ
  • 洗濯ネットやバスタオルで包む
  • キャリーケースへ入れて、安全に家へ帰る

脱走した直後は時間帯問わず即、探し始めた方が良いですが、翌日以降探す場合は明け方から午前中・夕方薄暗がりの中が見つかりやすいといわれています。姿が見つかりやすい昼間や真っ暗な夜中は危険が多いため、猫もあまり移動せずに身を隠しています。

迷子になった猫に自宅の場所を教える

飛び出して行った猫は、自分の家がどこにあるか分からなくなっています。猫が家を探す手がかりは嗅覚です。家の周囲に今使っているトイレの中にある猫砂をまき、可能な場所は窓やドアを少し開けて、いつも食べているフードを置いておきましょう。匂いを頼りに近くまで戻ってくる可能性が高まります。

警察・保健所へ連絡する

最初の捜索で見つからない時は、即座に警察と保健所へ連絡しましょう。警察や保健所に保護された猫は登録のある情報を元に飼い主へ連絡が入ります。更に、動物愛護センター、近隣の動物病院や近隣で活動している保護猫団体にも情報を伝えておくと、保護された時に連絡して貰えます。

ポスター・SNSで呼びかける

ポスターのポイント(※)を参考に作成し、近隣のコンビニ・動物病院に貼って貰いましょう。コンビニは夜でも明るいので猫の目撃情報が多く、動物病院には保護した方が連れてきてくれる場合や、動物が好きな方ばかりなので好意的に探してくれる可能性が高いです。

作成したポスターは近隣の家にポスティングもしましょう。また、犬の散歩をしている方に渡しておくのも効果的です。犬の散歩は猫の行動時間と被ることが多く、近隣を散歩しているので地理にも詳しいです。意識して頂ければ見つかる可能性が高くなります。

ポスターをデータ化して、SNSでも呼びかけてみましょう。普段から猫の写真をアップしているようでしたら、フォロワーの方は間違い無く猫好きが多く、その中に近隣に住んでいる方がいれば目撃情報も増え、見つかる可能性が高まります。

(※)ポスターのポイントは、

  • 猫の写真は大きく、出来れば顔のアップ、全身の2枚
  • 名前・毛色・年齢・性別・性格・首輪の有無
  • 大きさ(体重が書いてあると目安になります)・目の色・しっぽや柄の特徴
  • 脱走した際の情報(何月何日何時頃、どこから脱走し、どの方向へ行ったか)
  • 飼い主の連絡先(個人情報の流出には十分注意して下さい)

検索すると、無料のテンプレートを配布しているページもありますので、参考に大急ぎで作成して捜索の和を広げましょう!

無事に保護できた!やるべきことは?

猫の様子を見て、病院へ連れて行きます。怪我をしていないか、歩き方がおかしくないか、痒がるそぶりは無いか、ウンチやおしっこの量、食事の量は変わりないか確認して下さい。少しでもおかしな点があれば速やかに獣医師に相談しましょう。

ケガや変わったところはなく、急ぎで診てもらう必要性がないと感じても、病院で健康診断を受けた方が良いでしょう。その際、必ず脱走したことを伝えましょう。また、同居猫がいる場合はノミや病気などが心配ですので、病院で診て貰うまでは別の部屋にしておく方が良いでしょう。

猫の様子が落ち着いたら、連絡しておいた各所へ再度連絡を入れます。警察・保健所、直接話して協力を頂いた保護団体や近所の方にもお礼を伝えましょう。

脱走させないために!予防策はしっかりと!

家にいる時はもちろんですが、外出先(病院など)での脱走も多いです。キャリーケースが破損していることに気づかず、蓋が開いて脱走してしまった例もありますので、使う前に必ず点検を行いましょう。家からの脱走対策も詳しく見ていきましょう。

玄関の脱走対策

人がひんぱんに出入りする場所ですので、特にお出迎えしてくれるタイプの子がいるのであれば、玄関前に脱走防止扉か、天井まで届く柵を設置しましょう。脱走防止用ゲートは、自分で設置できるタイプのものがホームセンターなどで市販されています。自分で設置するのは苦手、賃貸なので壁や天井に穴をあけられないということでしたら、脱走防止扉の設置を行っている業者に頼むことも出来ます。特に賃貸の場合、復旧可能な工事をしてくれる業者もいますので、相談すると良いでしょう。

また、柵があるからと油断せずに玄関の出入りをする際には家族全員、まずは5センチくらい開けて中の様子をそっとうかがってから扉を開くようにしましょう。宅配業者など外部から人が来る場合は、猫が玄関付近にいないことを確認してから対応しましょう。

玄関に貼る「猫がいます」シールがあると、外部から訪ねてくる方が自発的に注意してくれます。かわいいデザインのものも多く、ステッカータイプ・マグネットタイプと様々あるので、お好みのものを貼っておくと僅かながら安心です。

窓の脱走対策

窓で危険なのは掃き出し窓などの人が出入りする時だけでなく、鍵の閉め忘れで猫が自分で開けてしまう、網戸があるから大丈夫と油断してしまうことです。玄関同様、換気のために開ける窓には必ず脱走防止の柵を設置しましょう。鍵はしっかりと施錠の確認を行い、窓と網戸にストッパーをかけておいて猫がすり抜けないように工夫しましょう。ストッパーは100均でも販売しています。

網戸を見ると登ってしまう子もいますので柵を作る、頑丈なペット対策用のものに張り替えると更に安心です。自然の風が心地良いのは人も猫も一緒ですので、のんびり楽しめるように安全対策は万全に整えましょう。

ベランダの脱走対策

ベランダにも柵を設置し、天井まで届くネットで覆うなど外に出る隙間が無いように工夫しましょう。マンションなどの備え付けの手すりは、上だけでなく下も猫ならすり抜けられる隙間が空いているので、もれなくふさいでおきましょう。また、外に面した手すりの対策だけでなく、防火扉の下から隣室のベランダに脱走してしまうこともありますので、対策を整える時には猫の目線をお忘れ無く。

飼育環境を見直す

脱走したい気分など吹き飛ぶほど、快適な環境を整えてあげて下さい。去勢・避妊手術を行った上で、ストレスを感じているものがあれば1つ1つ解決していきましょう。特に、猫が1匹でのんびり休める安心できる場所があるか、楽しく運動できるスペースがあるか見直しましょう。

多頭飼いの場合は、それぞれが1匹でくつろげる場所を確保してあげましょう。部屋を分けることが難しくても、棚で仕切るなど家具の配置を工夫し、ゲージを上手に使って空間を分けて(小さい秘密基地を作る感じです)プライベートエリアを作ってあげると良いでしょう。個室を作る感覚で災害用の折りたたみゲージを普段から活用するのも1つの手です。

迷子札・マイクロチップの装着も検討して!

首輪を嫌がらない子には迷子札を付けておきましょう。首輪をしていれば飼い主がいることがハッキリと分かり、迷子札があれば保護した人が直ぐに連絡できるため安心です。ですが、首輪は逃げ回る内に外れてしまうことも。そこで、マイクロチップの装着がしてあれば更に安心です。災害時にもマイクロチップ装着の有無が行方不明になった犬猫との再会確率を分けています。

しかし、マイクロチップ装着に抵抗のある方も多いかもしれませんが、2022年6月からペットショップやブリーダーは装着が義務付けられます。すでに飼っている方に対しては努力義務となっていますが、マイクロチップ装着のメリット・デメリットを比べ、検討しましょう。

《マイクロチップ装着のメリット》

  • 個体識別ができるため、身元確認ができる
  • 飼い猫の証明となり、殺処分をさけられる
  • マイクロチップの種類によっては簡単に体温測定ができる
  • ペット保険の割引制度を利用できる
  • 半永久的に使用できる

耐久年数が約30年なので、1度装着したら付け直す必要がありません。また、住所変更などもチップを取り出す必要は無く、データを管理するAIPO事務局に知らせれば、情報を書きかえることができます。

《マイクロチップ装着のデメリット》

  • 専用の読み取りリーダーが必要

販売業者の義務化を受けて動物病院への普及は進んでいますが、まだ常備していないところもあります。

  • 盗難防止にはならない

GPS・追跡機能は無いため、盗難防止にはなりません。

  • 拒否反応・破損事故が起こる可能性がある

まれですが、拒否反応や破損事故が起こる可能性はゼロではありません。

  • マイクロチップ付近のMRT・CTの撮影ができない

画像が揺らいでしまうため、腫瘍の有無が判断できません。

メリット・デメリットを比べて検討する際にも、かかりつけの獣医師と納得いくまで相談しましょう。注射の痛みに耐えられる子なら大丈夫と言われていますが、注射より太い針を使用します。できれば去勢・避妊手術のタイミングで一緒に装着すると、麻酔が効いているので痛みを感じることなく装着できます。装着後、登録情報を郵送するのを忘れないようにしましょう。

要注意なのは脂肪織炎(体内に入った異物周辺に激しい炎症が起きてしこりになる病気)の持病を持っている子です。マイクロチップの拒否反応が起こる可能性が高いので、獣医師と相談しましょう。

まれですが、マイクロチップが体内で移動してしまうことがあります。装着した日は激しい運動をさせないように安静に過ごしましょう。

まとめ

脱走防止のためには、脱走しやすい場所の柵・扉など物理的な対策と共に「ここから出るなんてありえないにゃー」と思って貰えるほど快適な環境作りも大切です。運動が好きな子なら楽しい遊び場を、のんびりくつろぐのが好きな子にはリラックスできる場所など、その子に合わせて最高に楽しい家を一緒に考えてあげて下さい。ちなみに筆者は「トイレはここがいい!ここで眠りたい!ここで、かけっこしたい!」などを、「いいよいいよ~」と叶え続けた結果、自分のワークスペースが暑いわ寒いわで四苦八苦しております……。

執筆者
東京出身、長野県在住のアパレル勤務兼ライター。 仕事に燃えに燃えていたが、ある日ふと「人ってストレスで死ぬんだよなぁ」と思い、絶対に叶えたい夢を一つ現実のものとする。 久しぶりに猫と暮らしたい、その夢を叶えたら次々に夢という名の野望が出てきて一歩一歩叶えている最中。 現在、猫と暮らす猫のための家を建てたい、最終的に小説家兼ライターに肩書きを変えたいという野望に燃えている。