猫のダイエットの方法、運動について徹底解説

猫の健康 ぽっちゃり猫の飼い主さん必見!猫のダイエット情報まとめ!

執筆/神木詩野

丸々とした猫の姿はとても可愛らしく、SNSでもぽっちゃり体形の猫が大人気になっています。でも、愛猫が肥満体型になってしまうと健康面で心配になり、ダイエットをさせたいと考える飼い主さんが多いと思います。

そこで、肥満のリスクや愛猫にとって安全なダイエットの方法などを紹介していきます。

猫の肥満度を確認する「BCS」とは

一般的には、猫の成人年齢である1歳を迎えた頃の体重を理想体重とします。理想体重の2割から3割を超えた場合は、肥満体型となります。

しかし、大型猫は成人を迎えるまで2、3年かかる場合もあるので一概には言えません。そのような場合は、かかりつけの獣医師に理想体重の目安を聞きましょう。

猫の理想体重は、猫の種類、年齢、体格によって変わっていきます。個体差があるため、理想体重はあくまで目安です。目安ですが猫の肥満は、健康面に不安をもたらすので、理想体重に近づけた方が良いでしょう。

理想体重を基準とする方法だけではなく、自宅でも肥満度を簡単にチェックできる方法、BCS(ボディコンディションスコア)を紹介します。

BCSは、猫の体を触って、骨や肉の付き方から肥満度を簡易的に判定する方法です。BCSは評価が5段階に分かれ、BCS4以上はやや肥満から肥満になり、ダイエットの必要があります。

目視で簡単に確認する方法は、猫を真上から見たとき、ウエストにくびれが確認できる、身体を触った時に皮下脂肪の下に肋骨の存在を確認できるのが標準体型です。ウエストのくびれが確認できなかったり、横から見るとお腹が垂れている、皮下脂肪が付きすぎて肋骨が分からない、という場合はダイエットが必要です。

猫の肥満による病気のリスク

体重増加による骨や関節への負担、血糖値の上昇による糖尿病、肝臓に脂肪が溜まる脂肪肝、膀胱炎や尿結石、毛繕いをしにくくなることによる皮膚病、免疫力低下など、さまざまな疾患を引き起こすリスクが高まります。

また、肥満により、体が大きくなると毛細血管が長く伸びていき、血液循環が滞り、心臓への負担が大きくなっていきます。すると、心臓や呼吸器系の疾患を発症する恐れもあります。

健康的に痩せるダイエット方法

愛猫のダイエットには、適度の運動と適正な食事管理が大切になってきます。愛猫に負担をかけずにダイエットするにはどうしたらいいでしょうか?解説していきます。

食事

まず、与えるフードの量の見直しをしましょう。1日分の食事の量を現在の必要摂取カロリーを2割から3割減らして計測し、1日2~3回に分けて与えましょう。そうすることで、消費するカロリーが増え、ダイエットにつながります。

また、普段与えるフードを栄養バランスの整った、低脂肪、高繊維のダイエットフードにすることも検討してみましょう。切り替えの場合は現在のフードに少し混ぜて与えて、徐々に新しいフードの量を増やしていきましょう。突然フードを切り替えると、猫が食事に手を付けなくなったり、軟便や食欲不振を引き起こす可能性があるので、一週間くらいかけて徐々に行いましょう。

多頭飼いの場合は、他の猫のフードをダイエット中の猫が勝手に食べてしまわないように注意してください。

運動

猫のダイエットの基本は食事法ですが、運動も併せて行うとより効果があります。ただ、犬のように散歩に連れていくなど強制的な運動はさせられないので、日々の暮らしや遊びに運動を取り入れる工夫をしましょう。

例えば猫じゃらしなどを使って遊ぶときは、柄の長いものやひも状のものを使い、猫が走ったり飛んだり出来るように工夫しましょう。長い時間運動をさせようと思っても飽きてしまうので、1日に2~3回15分を目安に行いましょう。他にも食事場所をキャットタワーの上にする、お皿をやめて転がすと中に入れたフードが少しずつ出てくるボール状のおもちゃにするなど、猫が楽しいと思う工夫をしてください。

猫の場合は、平面よりも上下運動が非常に重要であるため、キャットタワーのような高さのある道具が役に立ちます。キャットタワーに登ってくれない場合はキャットタワーの上におやつを置くことで、登るように促しましょう。おもちゃは、1人遊びができるものを用意しておくと飼い主がいないときにも遊んでくれるので便利です。良く転がるボールや動くネズミのおもちゃなど、愛猫の狩猟本能を刺激するようなものが良いでしょう。あまり小さすぎるおもちゃや、獣毛を使ったおもちゃは誤飲のリスクもあるので十分な注意が必要です。

猫のダイエット、ここに注意!

愛猫にダイエットをさせるとき、どんなことに注意をしたら良いのでしょうか。ダイエットの注意点やポイントを説明します。

猫に無理のない範囲で行う

人間のダイエットもそうですが、猫のダイエットも無理のない範囲で行っていくことが大切です。猫は繊細な生き物なので、先ほど解説したように突然のフード変更によって体調を崩してしまうこともあるので、フード変更は徐々に行っていきましょう。また、肥満の猫が絶食などでタンパク質不足に陥ると突発性肝脂肪症を発症する可能性が高まり、危険なので注意しましょう。

病気の可能性も

肥満の原因がホルモン異常などの病気や、環境の変化によるストレスによる過食の可能性もあります。妊娠中や避妊、去勢手術の前後は多くのエネルギーが必要になるため肥満になりやすいので注意が必要です。

猫にダイエットさせる前に、獣医師に相談しましょう。

定期的に健康診断を受ける

活発に動き回る子猫はともかく、あまり動かないシニアの猫は肥満になりやすい傾向にあります。ダイエット後も体重を定期的にチェックして、前述の通り、肥満の原因が病気の可能性もあるので、年に1度は定期検診を受けましょう。

まとめ

愛猫にいつまでも健康でいてもらうために、肥満には気をつけて行かなければなりません。愛猫が太りすぎてしまっていないか、自宅でBCSのチェックを行いダイエットが必要と感じたら、まずは動物病院を受診して獣医師に相談しましょう。

ダイエットは、猫に無理させずに行っていきましょう。

執筆者
札幌生まれ首都圏育ち。 大学で北海道に戻り、シカやキツネ、リスが身近にいる自然豊かな場所で生活していました。 大学卒業後、北海道に残り、牧場に就職。 現在は地元に戻り、北海道で拾った元野良猫2匹と生活しています。 趣味は絵を描くことで、よく動物の絵を描いています。