新しい家族として迎える猫への「名付け」は、飼い主にとって、もはや一大イベントといっても過言ではないかもしれません。生涯その名前で呼び続ける訳ですから、中々良い案が思い浮かばずに頭を悩ませてしまうのも無理はないでしょう。愛猫への最初のプレゼントが、納得のいく最高のものになりますよう、この記事が少しでも名付けの手助けになれば幸いです。
名前をつけるときのポイント
飼い主のあなたが好きなマンガやアニメ、食べ物、芸能人、歴史上の人物の名前など、参考にできるテーマはたくさんあります。
まずは、愛猫に付けたい名前のイメージだけざっくりと決めてしまうとスムーズでしょう。「可愛いくてフワフワした感じ」「シンプルで呼びやすさ重視」「唯一無二のかっこいい響き」など、ある程度方向性が決まれば、それにあったテーマに絞って考えていくことが出来ます。
シンプルで呼びやすい
猫の名前を決めるうえで、「呼びやすさ」に重きを置く方も多いでしょう。
シンプルで響きが良い名前は呼びやすく、猫が自分の名前を憶えやすいというメリットがあります。猫の名前人気ランキングでも、上位に上がっているのは「ムギ」「ソラ」「レオ」「ココ」と、見事に2文字で発音しやすい名前ばかりでした。
愛猫が覚えやすい
せっかくなら、愛猫にしっかりと覚えてもらえる名前を付けてあげたいと考えていらっしゃるかもしれません。
しかしながら猫は、人から呼ばれた名前そのものを覚える訳ではなく、「音」として認識し、記憶するといわれています。そのため、長くて複雑なものは避け、シンプルさと聞き取りやすさを考慮した名前を付けてあげると良いでしょう。
なお、猫は短音で適度な濁音を含む音が聞き取りやすいといわれています。
名前のつけかたのヒント
では、具体的にはどのようにして名前を考えればいいのでしょうか。
実は、名付けのヒントは身の回りに沢山溢れています。
猫の特徴から
外見や模様など、猫の特徴から連想されるものをそのまま名前にするのも良いでしょう。
例えば、身体の色が真っ白なら「シロ」、三毛猫なら「ミケ」といった具合です。外見と名前のイメージがしっくりしていると、誰からも呼ばれやすく、すぐに覚えてもらえるという利点があるため、親しみを持たれ愛される猫になることでしょう。
食べものから
食べ物はバリエーション豊富ですから、毛色など猫の個性やイメージにピッタリな名前を考えてあげやすいです。
例えば「チョコ」「ミルク」「ラテ」などといったスイーツ系の名前は、その可愛いらしい響きから、女性の飼い主を中心に非常に人気があります。「サバオ」「オハギ」「ノリマキ」などといった名前も、ユニークで個性がキラリと光ります。
季節や出会った日
猫が生まれた季節の特徴や、その時期特有の花や木の名前を参考にしたり、出会った日の天気や気候などからヒントを得るのも良いでしょう。これは、人間の赤ちゃんの名付けでも見られる方法です。
「モモ」「サクラ」「カエデ」「コハル」「アメ」「ユキ」など、柔らかく優しいイメージの名前が多く見られます。
漫画やアニメのキャラクターから
あなたが好きなマンガやアニメ、映画などの登場人物の名前をそのまま付ける、もしくは作品に登場する猫の名前を付けるのも良い方法です。
余談になりますが、私が昔飼っていた猫は、某美少女戦士アニメに登場する黒猫と同じ名前を付けていました。見た目は全くと言っていいほど似ていませんでしたが、好きなキャラクターの名前を付けることで、愛猫に対してより親しみを感じることが出来るのでお勧めです。
歴史上の偉人から
戦国武将や新撰組の隊士など、憧れの歴史上の人物から名前を持ってくるのもひとつのアイデアです。
「信長」「秀吉」などとそのまま付けてもかっこいいですし、「ノブ」「ヒデ」のように略してあげても良いでしょう。
先代猫にあやかる
例えば、先代猫の名前が「モモ」だったところから、同じように花から由来させて「ウメ」と名付けるなど、名前に繋がりを持たせてあげるのも素敵です。
ただ、前述した通り、猫は音によって名前を聞き分けているため「モモ」と「モコ」などといった、似たような響きを持った名前にしてしまうと、どちらが呼ばれているのだろうと混乱を招く恐れがあります。猫を複数飼っている場合、つい似たような名前を付けたくなってしまいますが、出来るだけ避けてあげた方が良いでしょう。
愛猫に名前を憶えてもらう方法とは
愛猫の名前を呼んだら「ニャー」と返事をしながらこちらにすり寄って来てくれる。そんな関係性に憧れ、出来れば早く名前を覚えてもらいたい!とお考えの方も、きっと少なくはないでしょう。猫に名前を覚えてもらえるコツなどはあるのでしょうか。
猫の記憶力は凄い!
前述した通り、猫は飼い主が発する言葉を「音」として認識するため、名前そのものを厳密に覚えられるわけではありません。しかし、「音」の響きによって猫の注意をひくことは可能なので、何度も繰り返し愛猫に向かって名前を呼ぶことで、その音をしっかり認識出来るようになります。
名前を呼ぶタイミングが重要
愛猫に名前で反応してもらうためには「名前を呼ばれたら嬉しいことがある」という記憶を、沢山残してあげることが大切だといわれています。
例えば、ごはんやおやつの時間の前後、そしてスキンシップの時など、愛猫にとってポジティブな場面で名前を沢山呼んであげるようにしましょう。トイレがうまく出来た時など、褒めてあげる時にも効果的です。
逆に、愛猫に対して叱るような場面で名前を連呼してしまうと、自分の名前に対してネガティブな記憶が強く残る可能性があるので、注意が必要です。
声のトーンにも気を付けて
猫は高音域を聞き取りやすいといわれています。これは、猫の獲物となる鳥類や虫などが出す音域と、天敵となる猛禽類が出す鳴き声の音域に合わせて聴覚が発達しているためです。
猫の気を引きたい時には、いつもより少し高めの声を意識して話しかけてみましょう。
まとめ
猫の名前を決める時は、毛色や雰囲気などの身体的特徴や出会った季節、はたまた飼い主が好きな物事などをヒントに、愛着が持て、かつ愛猫の聞き取りやすさまで配慮してあげたものを考えてあげると良いでしょう。
世界に一匹だけのあなたの大切な愛猫に、どうぞ素敵な名前を付けてあげてください。