猫のストレスの原因、解消法を知って快適生活を送ろう

猫の健康 愛猫のストレスサインを見逃さないで!ストレスの原因・解消方法を徹底解説!

執筆/bonfan

気ままに過ごしているように見える猫たちですが、実は繊細な性格でストレスを感じやすい動物です。本来は野生でハンターとして生活するネコ科動物にとって、家の中で過ごすだけの生活は少々ストレス溜りやすい環境になりがちです。言葉で伝えられなくても、猫たちはストレスを行動などで訴えています。

愛猫のストレスサインをしっかりキャッチできていますか?猫がいつもと違った行動や、しぐさをしていたら、それはストレスサインかもしれません。

こんな行動をしている!もしかしてストレス?

共に生活をする中で、いつもと様子が違うと感じたら注意が必要です。ストレスサインである行動7パターンをご紹介します。

ごはんを食べない

ストレスにより胃腸炎を起こし、食欲不振になっているかもしれません。空腹時の胃酸過多によって吐いてしまう子もいます。また逆に過食になるケースもあります。適度なご飯やお水など飲食の量は、健康な心身と直結しています。

食事の様子がいつもと違うのは、ストレスだけでなく何かの病気や歯周病などの可能性もあるので、健康状態にも注意が必要です。

執拗なグルーミング

猫にとってグルーミングはストレス発散の手段です。いつもより、念入りにグルーミングや体を搔いているのは、ストレスサインかもしれません。お腹や後ろ足など舐めやすい部分は、グルーミングのし過ぎで脱毛してしまう事もあります。エスカレートするとしっぽや、手足を噛んだりする自傷行為に発展し、皮膚炎などの発症にも繋がります。

このように、何度も同じ行為を繰り返してしまうのは「常同障害」という心の病気かもしれません。過剰なグルーミング、自分の尾を追ってしまう(尾追い)、布やひもを食べてしまう(織物摂食)、激しく鳴き続ける(知覚過敏症候群)などが常同障害の代表的な症状です。

1日の睡眠時間が長い

老猫なら長くなりがちな睡眠時間です。猫の睡眠時間は平均すると成猫で14時間、生後5か月ほどの子猫や老猫は20時間以上寝る子もいます。「成猫なのに寝てばかりいる」「以前より寝ている時間が長い」など気になったらストレスを感じているからかもしれません。

トイレの回数が減る(増える)粗相する

トイレに入る回数が多い、もしくはトイレを使用した形跡がないなど、便秘、頻尿、下痢などの症状が現われることもあります。

ストレスが原因のひとつとされている「突発性膀胱炎」を発症していると、おしっこの回数が増え血尿がでることもあります。また、頻尿や血尿は膀胱炎以外に腎不全でも見られる症状です。この場合、ストレスを取り除くことはもちろんですが、投薬も必要となるので、早めに病院に行きましょう。

トイレ以外での排泄やスプレー行為している時も、ストレスが起因することがあります。スプレー行為自体は、繁殖期の異性へのアピールや、縄張りを主張するためのマーキング行動でもありますが、ストレス発散の手段としても行うことがあります。老猫の場合、粗相はストレスではなく加齢による泌尿器の衰えや、疾患を抱えている可能性も考えられるので、必要に応じて病院を受診しましょう。

ご飯やおやつなどいつもと違う食べ物を与えた時も、便の様子がいつもと変化することもありますので、食事の様子とセットでチェックしてあげるとよいでしょう。

いつもの場所以外で爪とぎをする

もともと爪とぎもマーキング行為のひとつですが、決まった場所以外での爪とぎはストレスサインのひとつです。

いつもは決まった場所にある爪とぎを使っていたのに、急にソファーや家具、壁で爪とぎをしているというのは、ストレス発散行為である可能性があります。

落ち着きがなくなる・攻撃的になる

突然落ち着きがなくなった、急に噛みついてきたというのは、ストレスによる3つの「葛藤行動」のひとつと考えられます。

  • 真空行動

本来、猫は狩猟する夜型の生き物なので屋内飼育では運動量が足りていないことが多く、そのため夜中に突然大運動会をはじめた、急に家中走り回りだしたというケースをよく聞きますが、これを真空行動といいます。

  • 転移行動

ストレスや緊張不安などを強いられる場面で、急に関係のない行動をとることがあります。高いところからのジャンプや着地に失敗した時などに急に毛づくろいをしたり顔を洗ったりします。突然の失敗を全く別の行為で気を紛らわせる行動です。

  • 転嫁行動

イライラした時に関係のない人や物に攻撃する、文字通り八つ当たりの行為です。お気に入りの場所をとられたり、外から他の猫の声が聞こえたりすることにイライラして、全く関係のない飼い主やクッションなどに噛みついたり引っかいたりしてきます。

隠れて出てこない

猫は用心深い動物です。怖いもの知らずの子もいれば臆病な子もいますから性格によるところも大きいですが、出てこないのは何かしらの危険や、苦手を察知して隠れているからです。それはまさにストレスとなるものからの回避行動といえるでしょう。

猫はどんなことにストレスを感じるの?

そもそもストレスとは、気候や外的要因、精神的ショックなどによって引き起こされる緊張状態や、体の防衛反応や、その要因となる刺激や状況の事をいいます。

人間社会には人それぞれで、様々なストレスの要因、ストレッサーで溢れています。では、猫はどのようなことにストレスを感じるのでしょうか。

猫の本能に適切ではない環境

猫はもともと、野生においては狩猟し獲物を捕らえたり、縄張りを持つ動物です。家の中では自由に走り回るのは難しいかもしれません。高いところも1.5〜2mくらいであればなんなく飛び乗ってしまいますが、高低差のある遊ぶ場所などもないと、運動不足となりストレスが溜まってしまいます。

下記は猫にとって最低限必要だとされている住環境です。

  • 上下運動のできる高低差のある場所
  • 爪を研げる場所
  • 落ち着ける清潔な猫用トイレ
  • 安心してくつろげる場所

これらが欠けているようなら、適切だとはいえません。

生活環境の変化

猫はもともと環境の変化を好む動物ではないので、引っ越しなどの大きなことから、食器や寝具が変わるような小さなことまで、ストレスになることがあります。また、結婚、出産などのライフスタイルの変化で、家族が減ったり増えたりという事もストレスの原因となり得ます。

近年、ステイホームで家族が家にいる時間が増えたというご家庭は多いのではないでしょうか?猫にとってもこれは、大きな生活環境の変化であり、ストレスの原因となっているケースが報告されています。普段昼間はいなかった飼い主が在宅になり、四六時中構われる、お昼寝を邪魔されるなど、自由気ままに過ごしていた時間を奪われたことで、強いストレスを感じてしまう子もいます。

飼い主さんとの関わり方

猫のあまりの可愛さに、過剰に構っていると突然引っ掻かれたり噛みつかれたりするのもストレスサインのひとつです。スキンシップはもちろん大切ですが、やりすぎや、嫌な場所を触れられうのはストレスの元なってしまいます。睡眠や食事、排泄中なども放っておいてあげましょう。逆に、構ってほしいのに放っておいたり、留守が多くなってしまってもストレスとなります。

また、イタズラを大声でしかったり叩いたりなども、もちろんやってはいけません。

同居動物との関係性

猫同士に関わらず、他の動物たちとの多頭飼育において、同居動物といつも仲良しというわけにもいかないこともあるでしょう。仲が良くても、過度のじゃれあいがケンカに発展することもあります。先住猫が、新しくお迎えした子を威嚇、攻撃することもあり、双方にとっても大きなストレスとなります。

逆に、仲の良かった同居動物が死去などでいなくなり、ストレスから体調を崩してしまう子もいます。

自然災害

猫は人間の6~10倍も聴覚が優れているので、地震・雷・台風など大きな音が伴う自然災害でストレスを抱く子は少なくありません。近年多発する自然災害時は、災害そのものだけではなく、もしもの時の避難生活もまた、大きなストレスとなることが予想されます。

見知らぬ人の訪問

積極的に接客する人懐こい子もいますが、殆どの猫にとって見知らぬ来訪者は大きなストレスになります。

来訪者が来た瞬間、家具の隙間に隠れて一切出てこなかったという話しをよく聞きます。可愛い愛猫だから皆に見せたい、猫好きな来訪者が会わせて欲しいと頼んできた、など様々な場面があると思いますが、隠れて出てこない子を無理やり引っ張り出すのは止めましょう。出来れば猫が落ち着いて過ごせる隠れ場所を用意して、来訪者がいても安心できるようにしましょう。

初めての経験・怖いと感じること

人間同様初めての経験や、怖いと感じているものは、猫にとっても大きなストレスとなります。雷や台風、ドライヤー、掃除機など大きな音が出るものは、多くの猫が苦手としています。爪切りやシャンプー、病院へ行くなど、猫の健康のために必要な事も、ストレスとなります。

ストレスを解消する方法はある?

ストレスのタイプには「急性ストレス」「慢性ストレス」の2つがあり、それぞれ解消法が異なります。

急性ストレス

見知らぬ人の訪問や自然災害、大きな音など、一時的な刺激によるストレスです。体を低くしてこそこそと歩いたり、隠れて出てこないなどの行動が見られますが、原因が一過性のものであればすぐに元に戻る場合がほとんどです。

慢性ストレス

継続的にストレス状態にあることで、住環境や同居動物との関係などがこれに当たります。長引く慢性ストレスは、健康を損なう可能性が高くなりますので、早急に改善する必要があります。

生活環境を見直す

まずは、猫を取り巻く生活環境を見直してみましょう。

  • 運動できる十分な場所はある?

走り回ったり、おもちゃで遊ぶスペースを確保しましょう。多少狭くても、床が滑りにくく高低差があれば、十分遊ぶことができます。

  • 安心できる高い場所はある?

キャットタワーやキャットツリーなどの高い場所は、猫にとって安心してくつろげる大事な空間です。上下運動もできるので、運動不足の解消にもなります。キャットタワーを置く場所がない場合には、家具を高低差があるように並び変えてあげるだけでも、キャットタワーの代用品となります。

  • 安心できる避難場所はある?

高いところだけでなく、狭くて暗い場所も猫にとって大切な逃げ場となります。嫌なことや怖いことから避難できる安心の場所を確保することは、ストレス軽減にもなります。

  • 快適な室温が保たれている?

およそ25℃湿度50%が理想です。猫は湿気を嫌う動物ですから、季節によって室温だけでなく、湿度も気にするようにしましょう。暑い夏はペット用の冷感マットなどを用意するのもよいでしょう。

  • お水はいつでも飲める?

2か所以上水飲み場を用意したり、こまめに水を変えるなどして、清潔な水がいつでも飲める状態をキープしましょう。猫によって好みが分かれるので、水が流れるタイプの自動給水器、陶器やガラスのウォーターボールなど、複数用意してあげると良いでしょう。

  • トイレの場所、猫砂の種類は?

トイレは清潔に保たれているのが大前提ですが、なるべく落ち着ける場所で、排泄を隠せるようになっているのが大切です。猫砂は「鉱物系」「紙系」「おから」「木材」「シリカゲル」と主に5種類ありますが、これは猫の好みが分かれるところです。ただしコロコロ変えるよりは、決まった種類を継続して使う事がおすすめです。

キャリーやクレートに慣らす

病院や、お出かけに必要なキャリーですが、これを嫌がる猫は大変多くいます。「入れられる=嫌なところに行く」などイメージができてしまっている子もいますので、普段から使用し、おやつなどを置いて気軽に入れるようにしておくと、いざという時に猫も飼い主もストレスなく使う事ができます。

キャリーというと布や、固いプラスチック製のかごに持ち手のついたクレートタイプが主流ですが、リュックやショルダータイプ、カートタイプもあります。

スキンシップの時間を増やす

飼い主さんとの適度なスキンシップは、ストレス解消に大変有効です。頭や背中、しっぽの付け根など猫の喜ぶところを撫でてあげましょう。

元気いっぱいの子猫や若猫であれば、おもちゃで遊ぶと喜びますが、シニア猫や大人しくシャイな性格の場合、ただ同じ空間で一緒に過ごす、というだけでも満足する子もいます。どんなスキンシップを望んでいるのか、愛猫の性格を見ながら考えるのも、飼い主にとっては楽しい時間です。

多頭飼いの場合の対策

多頭飼育において、猫同士の仲が悪かったり、縦社会で序列が下になってしまった猫は、慢性的にストレスを感じています。そのため、個々のケアが必要となってきます。

猫の数プラス1台トイレを用意する、ご飯をあげる場所や時間をずらすなど生活空間を離し、猫それぞれがトイレや食事などの生理現象を、我慢することのないよう適切な生活環境を整えることが必要です。そのような対策をとっても改善しないようであれば、飼育スペースを完全に分離することも考えましょう。

また、ご飯も遊びもお手入れも、先住猫を優先することを徹底してください。

ストレスと病気の違いを見極めるのは難しい?

ストレスによる行動なのか、病気による症状がもたらす行動なのかは見極めるのは難しいことです。しかし、慢性的にストレスが溜まる状況は、病気の元となる事に違いはありません。

体に異常が見られる場合は速やかに医師に相談して下さい。ストレスに思い当たる点があれば、原因を改善し様子を見るようにしましょう。

まとめ

警戒心の強い猫たちは、多くのストレスに囲まれて生活しています。常にストレスを感じている状態は、決して健康とは言えません。放置すれば大きな病気につながる可能性も十分に考えられます。

全くストレスのない環境というのは、難しいことですから猫も人も無理なく、ほどほどに、ストレスを発散しながら末永く健康に仲良く過ごしたいですね。

執筆者
2児を持つワーキングマザーです。 パートナーと愛猫♂の4人と1匹家族です。 一つの物事でも常に多角的にとらえ客観的な視点で物事を伝えらたらと思っています!